うつについて

うつ病はストレスなどが原因によるれっきとしたこころの病気です。うつ病といえば「甘え」や「性格の問題」などと間違った認識をしている方も多くおられます。うつ病は誰もがかかる可能性がある病気で決して他人事ということはありません。うつ病についての理解を深めていきましょう。
悲しい出来事や悔しい出来事があった時に気分が落ち込んだり、やる気が起こらないといった状態になることは誰もが当たり前に経験することです。
普段であれば、趣味やお酒の場、ボーリングやカラオケでストレスを発散し2~3日程度で解消することが多いのですが、落ち込んだ気持ちが2週間以上続くようであればうつ病の怖れがあります。その間は、普段は楽しめることも何故か楽しめず、没頭することもできないという状態に陥ることが多いです。
このような状態を抑うつ状態と呼び、うつ病の典型的な症状です。
うつ病の患者数

世界保健機構(WHO)は世界中で約3億5千万人がうつ病に苦しんでいると伝えています。その中でも人口に対し、うつ病の患者割合が比較的多い地域は中東アジア周辺、又は北アフリカ付近です。日本は以外にもうつ病の患者割合は世界的に見ると低いという結果になっています。しかし、日本でのうつ病患者数は年々増加傾向にあります。
世界的に見て低い水準だといっても、日本人の15人に1人はうつ病になると言われています。現在医療機関にかかっているうつ病患者の数だけでも100万人以上だといわれているので、日本のうつ病患者はかなり多いといえます。さらに、うつ病は診断が難しく、症状を自覚することも難しいので、病院に行っていない方も多いです。
このような潜在的な患者数を合わせれば、実際のうつ病患者数はもっと多いと考えられます。現在病院に行っているうつ病患者だけを見ても、その数は毎年増加していますので、日本人にとってうつは珍しい病気ではなく、身近な病気だということを理解しておきましょう。
うつ病の原因

うつ病が発症するメカニズムはまだ解明されていません。しかし、過度のストレスなどにより脳内の神経伝達物質の働きが悪くなることが原因ではないかと考えられています。
うつ病患者の脳内では神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの量が減少していることが分かっています。この二つの神経伝達物質に関しては、両方とも人間の感情に関わるものなので、不足すると通常の感情が出せなくなってしまいます。 まず、セロトニンは人間の心を安定させるので、不足すると、不眠、不安などの症状が現れます。
対してノルアドレナリンは精神を興奮させる物質なので、無気力状態になったり、ストレスに弱くなったりしてしまいます。これらの物質が不足した時の症状は、うつ病の典型症ともいえるので、神経伝達物質の不足がうつ病の原因になっているとも考えられます。
実際にこれらの神経伝達物質とうつ病の関係性が十分に実証されているわけではないので、直接的原因だとは断定はできません。ただ、ノルアドレナリンとセロトニンに作用する薬は抗うつ剤として効果が高いことはわかっていますので、すくなからず関係していると考えられます。
心の弱さによるものではない

ここで重要なのは、うつ病による心の落ち込みは、神経伝達物質の不足によって生じる生理的なものであるということです。性格の問題や、心の弱さによるものではなく、まぎれもない病気なので、治療が必要だということを覚えておきましょう。
うつ病につながるストレス要因は、家族や親しい知人との死別や金銭トラブル、人間関係、引っ越しや転勤による環境の変化などが挙げられます。時には結婚や妊娠、昇進といったポジティブな出来事でもストレスとなり、うつ病の原因となる場合もあります。
真面目で責任感が強い方や几帳面な方はうつ病にかかりやすいと言われています。自分で全てを抱えてしまい、同時にストレスも溜めやすくなってしまうためです。何事にも適度に優先順位をつけ、抱え込み過ぎないようにするのが良いでしょう。仕事と休みのメリハリを付け、しっかりと休むときは休むということも大事です。
身体的な要因でも発症する

また、うつ病を発症する方の中には、ストレスなどの精神的な原因だけでなく、身体的な要因で発症する場合もあると考えられています。例えば慢性的な疲労や脳血管障害、女性の場合はホルモンバランスの変化によるうつ病もあります。
さらに、うつ病には遺伝的要因もかかわっていると考えられており、両親のどちらかがうつ病の家庭は、子供のうつ病発症率が高くなるというデータもあります。
うつ病はこれらのストレス要因、環境要因、遺伝的要因が複雑に絡み合って発症するというのが現代の医学の見解なので、私たちにできるのはうつ病の原因についての知識を持ちつつ、なるべくストレスをためないように生活していくことだといえます。
うつ病の治療方法

うつ病の治療はまずは十分な休養を取ることから始まります。社会人であればまとまった休みを頂くことは難しいかもしれませんが、働く時間を徐々に減らし休職するなど、上司や会社の協力を仰ぎましょう。主婦の方であれば自宅がストレスの原因ということもあるため、自宅から離れ入院し治療に専念するのも良いでしょう。
休養を取る際に大切なのは、周囲の人にうつ病のことをきちんと理解してもらうことです。冒頭でも述べた通り、いまだにうつ病は精神論で語られることが多く、生理的な病気だとは認識されにくくなっています。周囲の人間からの理解を得られない場合、心無い言葉がさらなるストレスの要因になりかねませんので、自分の病状についてはしっかりと理解してもらいましょう。
もちろん自分自身でも病状を理解しておく必要があります。うつ病患者の方は自分のことを必要以上に責めてしまいがちです。強烈な自責は自殺念慮につながりかねないので、まずは自分の病気のことを認めてあげましょう。周囲の理解を得て、自分自身の病気と向き合うことで、やっと心を休養させることができるのです。
抗うつ薬に依存性はない

その後は休養と併せ抗うつ薬による投薬治療を行います。抗うつ薬は脳内の神経伝達物質の働きを正常になるように作用する医薬品で5つの種類に分類することができます。NaSSA・SNRI・SSRI・四環系・三環系とそれぞれ呼ばれており、化学構造などに違いがあります。全ての抗うつ薬に言えることですが口の渇きや頭痛、眠気などの副作用があり、特に服用初期は身体が慣れていないために副作用が現れることが多いです。抗うつ薬は依存性が高い、という話がありますが依存性はありません。
病状や治療の過程などにより個人差はありますが専門家による心理的治療(精神療法)を行うケースもあります。うつ病は非常に再発率の高い病気のため、考え方を変えることで病状の悪化や再発の予防に繋がっています。
うつ病の症状が改善するまでに要する期間も人によって異なります。3か月程度で改善がみられる方もいれば、もっと長期にわたって薬の力を借りなければならない方もいます。一度よくなったと思っても、環境の変化やストレスによって再発することも考えられますので、薬とは長い付き合いになることを覚えておきましょう。
サインバルタ(シンバルタ)
SNRI系

サインバルタはうつ病の症状にある、気分の落ち込みや集中力の低下、悲観的になるなどの気分を和らげ、前向きな気持ち(意欲)を向上させる効果があります。その他にも糖尿病の合併症の神経障害の痛みを抑える効果もあり、安全性が高く副作用も少ないため、多くの方に服用されています。
価格
60mg×28錠 6,120円 | |
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60mg×56錠 11,620円 | |
60mg×84錠 16,520円 |
レクサプロ・ジェネリック
SSRI系

レクサプロ・ジェネリックは神経の伝達物質であるセロトニンの濃度が高まることで、神経の伝達をよくする効果があります。その結果、前向きな気持ちが高まる手助けをし、無気力、無意欲、不安感などを和らげる効果を発揮します。
価格
5mg×100錠 3,150円 | 5mg×200錠 5,980円 |
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10mg×100錠 4,050円 | 10mg×200錠 7,680円 |
20mg×100錠 6,300円 | 20mg×200錠 11,960円 |