不感症について

性的な接触をしたとき、体が何の反応も示さないこと。感情がまったく動かないこと。このことを指して、不感症といいます。オーガズム不全症、冷感症と呼ばれることもあります。性的興奮は覚えているのに体が反応しない、という男性のED(勃起機能の低下)に対して、女性の場合はそもそも性行為に対して興奮や喜びを感じることもない、というのが特徴です。
心身ともに絶頂(オーガズム)を得るために必要な膣液(愛液)の分泌なども充分に行われず、性行為に苦痛や不快感を覚えてしまうこともあります。現在、10代から40代までの女性のうち、2人に1人が悩んでいるという調査結果が出ています。
このように、デリケートかつ深刻な問題ですが、現在では不感症のメカニズムは解明されており、婦人科クリニックで治療したり、サプリメントで改善したりすることが可能です。
不感症の原因
女性が不感症になってしまう原因はひとつではありません。純粋に身体的、生理的な原因で不感症になってしまうことがある一方で、精神的、心理的な原因も考えられます。
精神的な原因

精神的、心理的な原因として挙げられるのは、幼少期の性的なトラウマや性行為に対する恐怖感、不安感などです。若い女性の中には、妊娠の恐怖が先に立ってオーガズムを得るどころではない、というパターンもあるようです。性行為自体に罪悪感を覚えてしまうという方、初めての性行為の失敗が尾を引いて「また失敗してしまうのでは」という過剰な不安を覚えてしまう方もいらっしゃいます。
心理的なストレスも不感症の原因のひとつです。性行為に対する恐怖感や罪悪感、嫌悪感を我慢したり、失敗に対する不安感を募らせたりすることで感じるストレスが、余計に、悪循環的に不感症を促進させてしまうこともあります。
また、パートナーとの関係性を見直していく必要がある場合もあります。女性の性感は、体と心が満たされたときに豊かに反応します。信頼でき、愛情を持って接することができる相手との性行為によって、初めてオーガズムを得られます。そうでない場合、いかに性行為自体が優しく苦痛のないものであっても、体も心も反応しないというケースがあります。
パートナーへの不信感など、マイナスな感情が原因になっている場合は、そこから解決していく必要があります。実際、不感症の診察や治療を行う精神科や心療内科では、女性に対してだけでなく、パートナーに対するカウンセリングも行うのが一般的です。
身体的な原因

性行為に対して不安感があるわけではない。パートナーを愛しいと思っている。つまり心理的には準備万端なのに、膣液が充分に分泌されなかったり膣内がほぐれなかったりして痛みを伴い、オーガズムどころではないというケースもあります。このような身体的、生理的な不感症の原因としては、ホルモンバランスの乱れや加齢、冷え性体質などが挙げられます。
具体的には、ホルモンバランスの乱れによってそもそも性行為に対する欲望が湧かない、体が冷えていて性的な刺激に対して充分に反応しない、年齢を重ねたことで膣液の分泌量が減少した、といったことが原因で不感症になってしまいます。 それぞれの原因に合わせて、クリニックでの治療や、サプリメントの服用などをしていく必要があります。
血行を良くして改善

不感症を引き起こす原因として挙げられる冷え性体質は、「血行不良」と言い換えることができます。新鮮で熱い血液が体内を常に循環していれば、おのずから体は内側から温かく保たれます。血液が運ぶ栄養が組織の新陳代謝を促し、細胞を活発化させます。刺激に対してより敏感に反応できるようになり、性行為の際によりオーガズムを感じやすくなります。
不感症に効くサプリメントとして販売されている製品の中にも、この点に着目したものが少なくありません。サプリメントの成分としてよく目にするのはL-アルギニンです。この成分は、体内に取り込まれると血管を拡張し、血行改善を促す働きがあります。それだけでなく、成長ホルモンの分泌、コラーゲンの生成などを促進する効果もあります。イキイキとした体で、性行為に臨むことができるようになります。
また、生活習慣の中で血行を良くして冷え性を改善していく方法も覚えておくと、よりサプリメントの効果をしっかり実感できるようになります。健康的な食事や規則正しい生活、適度な運動などが効果的です。特に、最近は足腰を普段からあまり使わない女性が増えています。ウォーキングや足腰のストレッチなどを取り入れ、下半身の血行を促進していきましょう。
女性用バイアグラについて

バイアグラは、男性のEDを改善させる効果を持つ医薬品です。主成分のシルデナフィルクエン酸塩が男性器とその周辺の血管を拡張させ、男性器の正常かつ力強い勃起を実現します。男性の下半身に働きかけるシルデナフィルクエン酸塩の効果は、女性に対しても期待できるという臨床試験の結果が出ており、女性用バイアグラも製品化されています。
服用することで女性器とその周辺の血管が拡張され、血行が劇的に改善されて感覚がよりしっかり伝わるようになります。性器の働きが活発になるので、膣液もより潤沢に分泌されます。膣液は挿入時の潤滑油です。「濡れにくい体質なので入れられても痛いだけだった」という方にとって、注目すべき薬であると言えるでしょう。
女性用バイアグラについて

女性の「性欲」そのものを刺激し、性的欲求低下障害(HSDD)の改善効果あると言われているAddyi(アディ)が2015年の8月にアメリカで正式に認可され、同年の10月17日より販売が開始されました。現地では女性用のバイアグラとも言われ大きな話題になりました。
バイアグラと同じ成分で作られているラブグラも女性用バイアグラと呼ばれていますが、同じ呼び名であっても、その効果や作用は異なります。
バイアグラやラブグラに含まれるシルデナフィルクエン酸塩は前述しているように性器周辺の血流を良くすることで効果を発揮します。これらの医薬品は肉体に作用するようになっていました。しかし、Addyi(アディ)の成分であるフリバンセリンは肉体では無く、脳や気持ちに作用すると言われています。臨床試験では二重盲検法を用いて11,000人以上の女性を対象に行われ、その中の約37%の方に対し性欲向上の効果がありました。また、性的な行為から得られる満足感が増した、という報告もあったようです。
Addyi(アディ)はバイアグラのように行為前に服用するものではなく、毎日就寝前に服用する必要があります。そのため、副作用や費用がネックになります。副作用として嘔吐感や目眩、低血圧や失神などがあります。この副作用の多さから過去2回の承認が通らなかった、ということもあるようです。服用中はアルコールの摂取も厳禁のため、お酒好きの女性にとって大きな懸念点となっています。費用面においても1ヶ月分で350~400ドルかかると言われています。1ドル110円として日本円に換算すると38,500円~44,4000円とかなり高価な部類に入ります。
潤滑ゼリーの活用

不感症を解消するアイテムには、サプリや医薬品のほかに潤滑ゼリーもあります。柔らかくなめらかなジェル状のアイテムで、膣内やクリトリスといった部位に塗布して使います。潤滑ゼリーは、膣液の分泌量が少ないことで性行為に苦痛を感じてしまい、やがて性行為への嫌悪感や恐怖心から不感症になってしまうことを防ぎます。
膣液は、更年期に差し掛かる頃に減少するほか、出産後の授乳期にも一時的に減少する性質があります。また、風邪薬や花粉症の薬に含まれる抗ヒスタミンが分泌を抑制してしまうこともあります。潤滑ゼリーを使用することで、そのようなタイミングでもスムーズに性行為を行い、オーガズムを得ることができるようになります。
ラブグラ
有効成分名:シルデナフィルクエン酸塩

ラブグラは女性用のバイアグラと言える商品です。バイアグラと同じシルデナフィルクエン酸塩を含んでおり、女性器周辺の血流が良くなることで濡れやすく、女性が感じやすくなる効果に期待が持てます。膣内の潤いが増すことで挿入の際の痛みも緩和されるため、普段とは異なる快感を味わうことができます。
価格
100mg×4錠 1,180円 | |
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100mg×20錠 5,750円 | |
KYジェリー
有効成分名:メチルセルロース

KYジェリーは女性の膣内など女性器や女性器周辺に塗布することでスムーズな挿入をサポートするゼリー状の商品です。挿入の補助を目的としているため、無味無臭で刺激成分などは含んでおらず、安心してご使用頂けます。挿入時に痛みを感じることが多い方へおすすめです。また、コンドーム破れ防止のために使用されることもあります。
価格
100g×1本 2,400円 | |
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100g×2本 4,050円 | |
100g×3本 5,400円 |